王子と姫愛

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「世の中、悟るのも悪くねぇよ。俺も根本的な考えはお前と似てると思うし」 「諦めるのは悪いことかな」 「いんや。悪くねぇ。逆に俺はお前がすげぇと思う。我慢できるし忍耐もあんじゃん。強いよお前は。頑張ってる」 そんなに理解を示してくれる人は初めてだった。頑張っているなんて、今まで一度も言われたことがなかった。 いじめられている自分が悪いんだと、我慢は当然のことだと思っていた。だからこそ、誰にも相談出来なかったし、してこなかった。 誰に何を言っても、大概は説教で終わってしまうのだ。 私の気持ちや状況は全然考慮せず、ただ世間一般での正しい意見や理想論を持ち出してくる。 でもそんなことは、私だって分かっている。分かったうえでの現状なのだ。誰一人あてにならなかった。 なのに、この人は違う。
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