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いじめなんて、世の中に腐るほど存在する。
目に見えていじめだと分かるものもあれば、そうでないものもあるだろう。どこからがいじめなのか、そのボーダーラインはあまりに曖昧である。
一言でいじめと言っても、実にたくさんの種類の苦痛があって、でもそこに軽度も重度も存在しない。苦痛は、苦痛なのだから。
「私、あの子無理。ないわ」
「分かる。調子乗りすぎじゃね」
私はいじめにあった。
きっかけは何処にでもあるような、実にくだらないことだった。思い出すのも嫌で、故意に忘れてしまった。
始まりはあまりに呆気なく、日常生活はあっという間にいじめで染まっていった。
私がいじめの標的になったのは、ちょっとした不運の重なりとタイミングだ。崇高な動機や、立派な理由があるわけではない。
女子高生なんて、日本人独特の右にならえの精神だけで友情を形作っている。そんな薄っぺらい関係。
権力を持つクラスのなかのリーダー格の女子が一言「嫌い」と言えば、みんな「嫌い」になっていくのだ。
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