王子と姫愛

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「……いたんだ」 「ずーっとな」 「いつから私のこと見てるの」 「だから、ずーっとだって」 黒金マッシュは、パイプ椅子に座って、何が楽しいのか私のことを見つめていた。不良の考えることは分からない。 なんとなく起き上がろうとしたが、寝ているように促され、そのままの状態でこの人と対面する。 「お前の名前は?」 「はぁ」 「俺、王子って書いて、何て読むと思う?」 「キング」 「んだよ。知ってんのかよ」 彼の名前は、櫻王子(サクラキング)。 目立つ不良だからというのもあるけれど、名前の奇抜さからもよく話題にのぼっていた。 でもキングと呼ばれることが大嫌いらしく、普段皆からはそのままオウジと呼ばせていた。
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