50人が本棚に入れています
本棚に追加
「……いたんだ」
「ずーっとな」
「いつから私のこと見てるの」
「だから、ずーっとだって」
黒金マッシュは、パイプ椅子に座って、何が楽しいのか私のことを見つめていた。不良の考えることは分からない。
なんとなく起き上がろうとしたが、寝ているように促され、そのままの状態でこの人と対面する。
「お前の名前は?」
「はぁ」
「俺、王子って書いて、何て読むと思う?」
「キング」
「んだよ。知ってんのかよ」
彼の名前は、櫻王子(サクラキング)。
目立つ不良だからというのもあるけれど、名前の奇抜さからもよく話題にのぼっていた。
でもキングと呼ばれることが大嫌いらしく、普段皆からはそのままオウジと呼ばせていた。
最初のコメントを投稿しよう!