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「この際だから、百々子からミヤに逆プロポーズしちゃえば?
いつまで待たせるつもりですか。
あなたのペースに合わせていたら直に30になってしまいます。
いい加減待てませんって、皮肉たっぷりに付け加えてさ」
「待てませんって……。
まず、待っててって言われているわけでもないし、そもそも透に結婚願望があるのかもわからないし……」
「それはあんたらが今まで結婚の話題を避けてきたからでしょ!」
「だって……」
百々子はそこで口籠った。
菜穂の言うことには一理ある。
――だって、まさかこうなるとは思っていなかった。
いつか自然な流れでプロポーズされて、二十代半ばを過ぎた頃には結婚しているんだろうなって、同棲を始めた頃は漠然とそう思っていた。
でも、25歳を過ぎても透の口から“結婚”というワードは出てこず、気が付いたら今年で27歳、独身女が結婚に焦り出すアラサーに突入していたのだ。
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