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「……ミヤが浮気するような男だとは思ってないけどさ。
百々子を裏切るような真似をする奴じゃないって信じてるし。
でもさ、ミヤにその気はなくても、ミヤを狙ってる女の子は多いと思うよ。
ミヤみたいな男って恰好の餌食じゃん。
独身のアラサーで顔よし、スタイルよしの超優良物件だし、
それなりに仕事のキャリアもある。
放っておかれるわけがないよ」
痛いところを突かれ、百々子は押し黙った。
「要するに、他の女に言い寄られる前に手を打っとけって言ってんの。
彼女がいようが関係ないって言って狙う女は少なくないよ。
でも婚約者がいるとなればさすがに相手も遠慮するでしょ。
ミヤから切り出す動きがないなら百々子がビシッと決めちゃえばいいんだよ」
でも、と口を挟もうとしたが、菜穂は強い口調で続ける。
「この調子でずっと待ってたらあっという間に30だよ?
男は30過ぎたらプロポーズするの気おくれするって、雑誌か何かに書いてあったし。
それに、来年は付き合って10年の年でしょ?
10年って節目じゃん。
その前に結婚の話を進めておかないと、タイミング逃して何も変わらないままだよ」
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