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「遅い!たかにぃ」
「あー、わりぃ。
仕事が長引いた」
待ち合わせのカフェに行くと、待っていたチナは頬を膨らませて怒った。
そんな顔も非常に可愛くてにやけてしまう。
「罰として晩ご飯、デザート付き、ね」
「はいはい」
側に置かれていた荷物を手に、外に出た。
今回の荷物は小さめでちょっと安心。
「それで?なに食いたい?」
「そうだなー。パスタ!」
「はいはい、パスタね」
俺はチナと並んで通りを歩き始めた。
チナは俺が高一のときに突然できた、十歳年下の妹だ。
……え?年があわない?
そりゃそうだろ、お袋の連れ子なんだから。
俺が高一のとき、男手ひとつで俺を育てていた親父は、いまのお袋と再婚した。
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