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突然できた五歳の妹。
どう扱っていいのかわからなくて、戸惑ったのは最初のうちだけだった。
「たかにぃ」
そう云ってにぱっと笑うチナはもう、可愛くて。
さらには、
「大きくなったらたかにぃと結婚するー」
ととどめを刺され。
……親父とふたりで可愛がりまくり、お袋に呆れられたのは云うまでもない。
それからもう十二年。
俺は二十七歳になり、チナも高三。
社会人になり家を出て、顔を合わせる機会は減ったものの、それでもいまだにチナを可愛がり続けてる。
「今回親父たち、どこ行ったんだっけ?」
「オーストラリア」
チナの目の前にはでっかいパフェ。
ピザをシェアし、パスタも食ったというのに、まだあんなものが入るなんてどんな腹してるんだか。
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