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「……まさかまた、先住民のお面とかいわないだろうな?」
横に置いた、紙袋をちらり。
大きさ、重さ的にお面と木彫りはないと思いたい。
「それはないと思うよー。
前回、空港で止められて懲りたと思うし」
「ならいいけどな」
親父とお袋はいまだにラブラブで、しょっちゅう一緒に海外旅行に行っている。
そして土産を買ってきてくれるのはいいのだが、毎回、怪しげなお面や木彫りの人形などで。
前回はとうとう、国外持ち出し禁止だと没収されたらしい。
「珍しく私のお土産、コアラのぬいぐるみとか普通だったもん」
「そっか。
おまえも毎回、わざわざ届けてくれてありがとな」
「別にいいよー。
そのたびにたかにぃとデートできるのは嬉しいもん」
相変わらずの可愛い笑顔にくらくらしてくる。
これで彼氏がいないというのが信じられない。
……まあ、いない方がいいけど。
「そうだ、チナ。
来週末は家にいるか?」
「いるよ?なんで?」
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