野獣となる中学生

4/24
前へ
/28ページ
次へ
 エネルギータンクが満たされたおれは、決まって次の刺客に襲われる。 「ふぁーーっ……」  初っ端、どでかい欠伸をさせられた。  直後、頭の中に(かすみ)がかかっていく。イシケンの声や黒板に当たるチョークの音が段々遠退いていく。  逆にハッキリ聞こえてきたのは、第二の刺客の声。 『さぁさ、おねむの時間ですよぉー。よい子はねんね。ねんころりーん♪』  重力に従いどんどん下降していくマブタ。闇に侵食されていく視界。  結局おれは素直に降伏し、机に突っ伏した。  もう一人の勝てない相手、“眠気”。こいつに捕まれば最後、おれに残された道は、寝落ちしか、な、い………………
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加