野獣となる中学生

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 そんな自由気ままな日々を送っていた時、おれの中で新たな宿敵が芽生えようとしていた。 「--でさ、もうすぐ夏休みじゃん? だからおニューの水着買いに行ったんよ。そしたらバックに穴が空いてる水着見付けてさー」 「なにそれヤバーい。ウケるしー。ヤバウケー」 「ハァ、ハァ、ハァ……」  その異変は、女子を見ているだけで発生する。 「で、洒落で買ってみて今穿いてんだけど見たい?」 「マジで? 見たーい。マジ見たしー」 「ハァ! ハァ! ハァ!」  膨らむ妄想。掻き立てられる好奇心。高まる欲求。  そして例の幻聴が、おれの心を刺激し始める。 『うふふ。無理しないでいいのよん望丸くん。それが雄の(さが)なんだからん』  第三の欲求、性欲--  おれ達中学生は今、思春期ってモードに突入している。エロほ……保健の教科書によれば、異性を最も意識しているお年頃らしい。  おれも例外ではなく、顔やスタイルのいい女子を見ると異常に興奮する。体が熱い。特に、あそこが。 『ほらほらぁ。いつまでも唸ってないで、いい加減襲っちゃいなさい。狼さんっ』  もう……ダメだ。これ以上は限界だ……!
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