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元気良く歩き出して数十分後、私は道の途中でバテていた。元々お嬢様育ちで歩く事に慣れていなかった為か、すぐにスタミナが尽きたようだった。お母様から手渡された装備品も結構重くて、そのせいもあってかもうすでに一歩も動けずにいた。後ろの方には、出発地点である小高い丘が見える。「決断を間違えたかな?」と思う気持ちを押し殺し、息を整えた私は再び歩き出した。
歩いては休み歩いては休み、を何十回と繰り返しやっと王様のいる王都までたどり着いた。小さな村の外れにある屋敷から出た事がなかった私は、街の大きさにただただ驚いた。
「ここが王都ローシェ。先の伝説の勇者が築いた国の王都。」
行き交う人々は皆、活気にみち満ちていた。その原因はきっと彼等なのだろうか?街には冒険者らしい格好をした若者が沢山歩いている。中にはパーティーを組んで何人かで歩いている人達もいた。私は中でも比較的大人しそうな魔法使いの格好をした女性にアドバイスをしてもらおうと声をかけた。すると女性は、優しくこう教えてくれた。
「初心冒険者ならギルドにいって登録をするといいわよ」
私は素直に従い、街の外れにあるギルドまでやってきた。
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