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次の日
大雨の中、メアリーはあのボロ小屋の前に居た。
「魔女さん魔女さん、いるなら返事をして頂戴!」
メアリーが小屋の扉を叩きながら叫ぶ。
『また来たか』
『待って居たわ』
『さぁ欲しいモノはなぁに?』
『さぁいらないモノは何だい?』
メアリーは叫ぶ。
「私がいらないのは、私の両親
私のお父さんとお母さんがいらないわ!
私のお父さんとお母さんをあげる!」
『なら、欲しいモノは何だ?』
『あなたの望むモノは何?』
『親を差し出してまで何が欲しいんだい?』
『親の代わりに何がいるんだい?』
親の代わりにいるモノ
お父さんとお母さんの代わりに欲しいモノ
「…優しいお母さんが欲しいわ
あと、妹も欲しかったから可愛い妹も頂戴!」
後悔なんてするはずがない
アレは親なんかじゃないのだから
私は悪くない
悪いのはお父さんとお母さんの方だ
『良いだろう』
『良い選択ね』
『優しいお母さんと可愛い妹だね?』
『その2人はもう既にメアリーのお家に居るよ』
どう言う事だろう
『お前の両親は既に頂いた』
『あなたのお父さんとお母さんは貰ったわ』
『さぁ家へとお帰り』
『メアリーの望んだモノはメアリーの家にあるよ。』
それっきり、魔女の言葉は返ってこなくなった。
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