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あれから数日が過ぎた
あの後、家に帰ると本当に願ったモノがそこにあった
それからの数日は本当に幸せだった
家に帰れば優しいお母さんと可愛い妹が出迎えてくれる。
お母さんは、いつも美味しいお菓子を作ってくれるし、妹は素直で、いつも言う事を聞いてくれる良い子だ
本当に可愛い、お人形見たいな子だ
お母さんと妹の事は、2人は元から居た事になっていた
どう言う事なのかはわからないが、恐らくあの魔女さんが何かしたのだろう
「ご馳走さま!」
お母さんの美味しいお菓子を食べ終わり、メアリーは部屋へと戻る。
部屋の扉を開けると、そこには人影があった
「だ、誰!」
月明かりに照らされて見える姿は、まさに異質だった
顔は包帯がぐるぐる巻きにされていて、服装は黒いボロボロのローブに魔女の被っていそうなとんがり帽子だ
不意に、包帯を巻かれた顔の、その口が動く。
『またあったなメアリー』
『また会えたわねメアリー』
『新しいお母さんはどうだい?』
『可愛い妹はどんなだい?』
この声、この話し方
「もしかして魔女さん?」
『覚えていたか』
『覚えててくれて嬉しいわ』
『今日はあんたにようがあるのさ』
『今日は妹ちゃんのお願いを叶えに来たんだ。』
妹のお願い?
『そう、お前の妹の願い事だ』
『あなたの妹はお父さんが欲しい見たいね』
『あんたの妹は、いらないモノの代わりにお父さんが欲しいらしいよ』
ふと、何故だか急に寒気がした
その理由を次の言葉で理解する事になる
『君の妹がいらないモノって言うのがね?
君なんだ、メアリー』
メアリーは部屋から逃げようとするが、足を何かに掴まれて逃げる事ができない
足を掴んでいたのは、目の取れた、ボロボロな女の子のお人形だった。
「い、いや!たすけ…!」
『さよなら、メアリー
そして、ようこそメアリー
私達の居場所へ』
月明かりが照らす中
メアリーは、まるで夜に吸い込まれたかのように姿を消していた。
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