夢の扉

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 それから僕は、夢を見た。  まずはオーソドックスに空を飛ぶ夢。  ―ずっと行ってみたかった海外旅行の夢。  ――初めて好きになった、あの子とデートする夢。  夢の中では自由に動けた。自由に動けるからこそ失敗もしたし、危ないことに首を突っ込みかけたこともあった。それでも夢だと思うと大胆になれる僕がいた。…まぁみんなそんなものじゃないだろうか。  普段と同じで、夢の終わるところはいつも曖昧だ。気付くとあの暗がりの場所に戻っている。初めと違うことと言えば、そこに扉はなく、目をきらきらさせた少年が待ってることだろうか。   僕の姿を見つけると矢継ぎ早に話しかけてくる。 「どんな夢だったの?」 「どこで何をしたの?」 「好きな子とは上手くいったの?」 などなど。  あんまり楽しそうに話を聞いてくれるから、ついついあれこれ話してしまった。まぁこの少年も僕の夢の産物なのだろうからあまり気にすることもないんだけど。
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