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野田君は移ろいながら目覚める。
「うっ....。僕は、たしか...革命を起こして、スペースノイドの解放を...宣言して...」
川島君が被せ気味に話す。
「落ち着け、それはゲームで、ガルマがやったことだ」
野田君が正気に戻りつつある。
「あっあ...そうだ、違う!僕は、重力に魂を引かれた住人たちの...」
さらに川島君が被せ気味に話す。
「それは!キャスパルだ!お前は野田であり、野田でしかない!声優志望の野田だ!」
野田君が覚醒する。
「そうか!僕は野田でした!なんで忘れてたんだろう。そして、なんで打撲痕があるんだろう??痛い。限りなく、際限なく痛い!」
松本君が橋本さんを見ながら話し出す。
「それは...」
橋本さんはそれを阻止するように被せ気味に話す。
「それは、きっと天罰です。不順で下劣な野田君に、天罰が下ったのよ。罪を認めて、神に許しを請うのです。さすれば、あなたの魂は救われる(笑)」
無神論者の橋本さんの口から、説得力のないセリフが飛び出した。
野田君は落ち着いて問いかける。
「橋本さん」
「何?」
「僕を殴りましたよね?」
...。
沈黙が10秒続く。
永遠の10秒。
長い。そして、永い。
それを切り裂くように、チャイムがなる。
全員の時間が動き出す合図だ。
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