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休憩時間
一限目のショックから立ち直れないまま、30分という休憩時間を迎える。彼らの心は、今どこにあるのか。それを話していこう。
野田君、つまり僕は錯乱している。
「あぁ、、あっ、あぁぁぁぁ!」
川島君があきらめ気味に話す。
「ダメだ、完全に壊れている。30分じゃ立て直せないよ、コレ」
松本君が野田君を揺さぶりながら言葉をかける。
「おい野田!しっかりしろ!悪い夢を見たんだ。もう悪魔はいない。大丈夫だから!」
そこに突如、椿君が降臨する。
「野田君」
一同が声を押し殺し悲痛な心境を語る。
「つばき~~今はダメだろう。お前が声掛けちゃ~」
椿君が話を続ける。
「野田君、心配いらないよ。君は声優になれる(笑)」
僕は思わず言葉を漏らす。
「えっ?」
椿君はさらに話を続ける。
「僕が言うんだ間違いないよ(笑)もっと自信を持って(笑)」
僕は救われた。
「うん!」
松本君は素直な感想を言う。
「意外だ」
橋本さんもびっくりしている。
「えっ、椿君にこんな一面が...まるで天使みたい」
川島君も同様だ。
「やばい、俺感動してる」
椿君が野田君の名前を呼ぶ。それに野田君が答える。
「なに?」
椿君は続ける。
「君は声優になれる!僕に一生奴隷として使えるなら、YA事務所に入れてあげるからね」
ドン引きの一同。
皆が思い思いの感想を言う。
「天使じゃなかった」
「まだ悪魔が教室にいたよ」
「俺の感動を返してくれ!」
椿君が振り向き言葉をかける。
「川島君。君は勘違いしているよ」
ロックオンされた川島君が呟く。
「えっ、ターゲットが変わった?」
椿君は、既に自分の世界を構築しだしている。
「良くも悪くも君は、心が動いて、感じたんだ。つまり、僕に感動してしまったのさ(笑)」
チャイムが教室に鳴り響く。心にも響いた。いや、ヒビが入った。
椿君は笑顔で皆を勇気づける。
「ほら、二限目が始まるよ。みんな!頑張ろうよ!」
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