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と言ったとたんに、じりりりり……と音が鳴った。
夢落ちかよ!
「ほーらっ、致秋(ちあき)くん、朝よ」
兄嫁に起こされるところから毎朝は始まる。夢落ちかと落胆しているところに兄嫁の声が降ってくる。
「ん……今何時?」
「七時十分。遅刻しちゃうぞ」
「うわっ、やべっ」
美人の義姉はベッドにつけていた膝を降ろしてベッドに横座りし、くすくす笑った。
「さあ、顔を洗って服を着替えてらっしゃい。食事にしましょう」
「義姉さん、なんでもっと早く起こしてくれなかったのさ」
「何度も起こしました―」
と言い合いした。この義姉には口で勝てたことがないので、俺は言われたことをすることにした。
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