ふれる日常 その3

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 ビビった。  稽古で怒鳴り声には慣れている筈だが、それにしても急転直下にして家じゅうに響くような大音量だった。  こんなちっさい身体のどこにそんなパワーを秘めてんだ? 「ふー……ふー……っ」  と思ったら、涙目でこっちを睨みつけて息切らしてた。  そ、そんなに?  そんなにか?  身体的特徴で呼んだのが、そこまでだったのか? 「あ、いや、あの……」 「ちっさくないっ!」 「そ、そうだ、な……?」 「疑問形にすんなっ!」 「わ、わりぃ……」  久しぶりに女に謝った。  なんか新鮮な心地だった。  というかよく考えれば結構最近吸血鬼に謝ってた。  今度は魔女っ子モドキに謝罪かよ。  なんだ俺の人生?  そのちっこい――というか女は息を必死に整え、 「……この前のろーきっくは、痛かった」 「……お前ローキックの意味、わかって言ってるか?」 「この前のキックだろ?」
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