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婚活サイトに登録して二年半、なかなか女性を紹介してもらえず、紹介してもらっても相手から断られ続け、もう自分は結婚なぞできないのではないかとあきらめかけていた。そんなときにようやっと巡り会えた相手が香代だった。お互いの権利や自由を尊重するという価値観も一致した。理想的な相手だと思って悦に入っていたのは、自分だけだったのかと雄哉はショックだった。
まさか、このままマンションに連れ込むのか――と思ったが、途中で別れた。
若い男は去っていき、香代はマンションへと帰っていった。香代は夫の存在にまったく気づくことなくマンションの玄関から入っていった。
エレベーターに乗るのを、マンションの外の、剪定が終わったばかりの植え込みの陰からガラスドアを通して見届けると、雄哉は一、二分待ってから動いた。
動揺していたせいか、つまずいて転んだ。
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