溺れる身体

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「茉歩… 愛してるよ…!」 肩のマッサージをしてくれてる最中、 不意にそう抱き締めて来た聡。 溝のある夫婦関係の中。 慧剛に溺れてる私は… その結果、聡と過ごす時間が激減して。 きっと、寂しさと焦りに駆られんだと思う。 だけど。 「っ、どうしたの?急に… あ、マッサージありがとう。 じゃあ明日も忙しいから、もう寝るね?」 聡を躱して、その腕から逃れようとした… 途端。 スルリと寝衣を潜って来た手が、肌を侵す。 「あっ…! っ、やめて聡! 私まだっ、そんな気持ちにはなれないよ!」 抵抗するも。 その手は胸へ伸びて、その先端を刺激する。 そしてその唇は、私の唇を追い求める。 嫌っ…!! 慧剛以外に触れられたくない! 思わず出た感情。 とはいえ、それもあってマッサージを断ってたし。 何より。 不貞行為を仕事と偽ってる状況で、聡の優しさに甘える訳にはいかなかったのに… いつも一方的に施して来て。 そのうち。 その優しさに隠された、私に触れたいという下心にも気付いたから… だんだんマッサージを拒めなくなってた。
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