溺れる身体

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例えば。 デスクで業務に集中してる時の、鋭い目も好き。 だけど。 「茉歩、気が散る」 視線を書類に落としたままの慧剛から、少しぶっきらぼうな声が向けられる。 「っ、すみません…」 見つめ過ぎた視線を外して、自分の作業に戻ると。 「茉歩。 嬉しいけど、仕事どころじゃなくなるから… もう少し待ってくれ」 なんて。 仕事とプライベートを切り替えれてない私が悪いのに… フォローの抜かりがない所も、ちゃんとハッキリ注意してくれる所も、好き。 そして終業後。 ベッドで激しく抱き合う最中… ポタポタッ、と。 私の肌を浸食する慧剛の汗ですら、愛おしくて堪らない。 その汗ばむ身体に塗れて。 その肌に舌を絡めて、キスで掬って… 私に取り込む。 「茉歩っ、エロい…っ」 「ううんっ、まだっ… もっともっと、慧剛が欲しい…!」 そうしがみ付くと。 私の身体も、もっと激しく欲される。
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