3397人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ、その時計…
確かプレゼンの時にもしてましたよね?」
接待に向かう慧剛の見送りに…
会社前でタクシーを待ちながら、ふと気付く。
「よく覚えてるな」
「はい。すごく素敵だと思ったので」
あの時はそれどころじゃなくて、話題にはしなかったけど。
「ありがとう。
俺の1番のお気に入りで、勝負時計なんだ」
勝負時計…
今日の接待は、今後の社運をかけた大事な接待だからだ。
「頑張って下さいね。
専務なら上手く行くって信じてます。
あ、タクシー来たみたいですよ?」
「ん。じゃあ茉歩…
今日は一緒に居られないけど、その分明日な?」
「…はい。
あ、雨が降りそうなので、傘を持って行って下さい」
優しい声とその言葉に寂しさを絆されながら…
傘を差し出した、途端。
「ちょっと!ケーゴっ!!」
いきなり怒鳴り込んで来た状況と、その相手に…
驚愕の目を向けた!
そのコは見覚えのある…
聡の不倫相手で。
どういう事なのか、訳も解らず混乱に襲われると。
最初のコメントを投稿しよう!