溺れる身体

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「今、全っ部聞いたからっ! 彼に婚約の事バラして、別れるように仕向けたんでしょ!? 今思えば妊娠のウソがバレたのだって、ケーゴが仕組んだ事なんでしょ!? 最っ低!! だいたい!脅して口止めするなんて情けないと思わないのっ!? 男なら正々堂々と自分の魅力で勝負しなさいよっ! 悪いけど、彼は私が守るから! 訴えたって揉み消してやる! そんな事で私達の仲を引き裂けると思ったら大間違いなんだからっ!」 「落ち着け、露美。 お前、自分の立場で言ってる意味、解るか?」 「わかるわよっ! 文句があるなら婚約なんて解消すればっ!?」 「… なら、解消しようか?」 「っ、なに企んでるの? 出来るもんならやってみなさいよっ!」 「わかった。 とにかく、部屋に戻るんだ」 そう言って、喚く彼女をマンション内に連れて行く慧剛。 2人のやり取りを、ただ茫然と眺めてた私は… 「あの…、利用されますか?」 タクシーからの声かけで、ハッとする。
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