悲劇のヒロイン

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心も、物質と同じで。 抑え付けたり、強い非難(力)をぶつければ… その分反発を募らせたり、どんどん離れて行ったり、逆効果。 本当に現状を変えたいなら… 悲しみはちゃんと伝えて、それ以上に相手の意見を受け止める。 きっと人の心を動かすのは、そんな事なんだと思う。 だから一旦、聡の要求を承諾して… 私は今まで通りに、でもさり気なく健気に振る舞って。 優しい聡の、情に訴えてみるのが有効かもしれない。 私の事をあんなに溺愛してくれてた聡なら、思い留まってくれるかもしれない…! だけど。 そう思ってても… 感情なんて、容易くコントロール出来る訳なくて。 いくらクールな私でも、この状況で平静を保つのは難しいし… 策略上でも承諾出来ない! それにもし策略が仇になったら… 「……少し、考えさせて」 「茉歩! っ、頼むよ…! 勝手なのは分かってるしっ、最低な男だよ! だけど慰謝料は充分に用意するしっ、出来る限りお前の条件にもっ」 「だから承諾してないってば! 慰謝料の話なんて今しないで!」 心が、グチャグチャに砕き潰されて… 頭がおかしくなりそう…!!
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