3378人が本棚に入れています
本棚に追加
/300ページ
この人は、大崎不動産の…!
驚きながらも…
またしてもデリカシーのない介入に、怪訝な顔を返すと。
「顔色が悪かったんで、気になって…」
相変わらず臆する事なく、とても優しい眼差しが向けられた。
なんだか今日は、それが妙に心を溶かして…
「いえ、平気です…
ありがとうございます」
素直に、心遣いへの感謝が零れた。
顔色、悪かったんだ…?
あの朝は涙目も見られたし。
この人には弱ってるとこばっか見られちゃうな…
そう思った矢先。
「あの。
良かったら、俺の所に来ませんか?」
「……、は?」
せっかく和んだ気分だったのに。
意味不明な言動で、途端に不快感が押し寄せて、露骨な反応をぶつけた。
そんな私を…
ワイルドなその人は、柔らかな笑顔で包み込む。
「すいませんっ。
さっき隣で、聞こえちゃって」
そうハローワークを指差して。
「仕事、探してるんですよね?
俺も今日、求人の申込に来てて…」
そこまで続けると、スッと取り出した名刺を差し出してきた。
最初のコメントを投稿しよう!