拾った専務と拾われた秘書

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この人は、大崎不動産の…! 驚きながらも… またしてもデリカシーのない介入に、怪訝な顔を返すと。 「顔色が悪かったんで、気になって…」 相変わらず臆する事なく、とても優しい眼差しが向けられた。 なんだか今日は、それが妙に心を溶かして… 「いえ、平気です… ありがとうございます」 素直に、心遣いへの感謝が零れた。 顔色、悪かったんだ…? あの朝は涙目も見られたし。 この人には弱ってるとこばっか見られちゃうな… そう思った矢先。 「あの。 良かったら、俺の所に来ませんか?」 「……、は?」 せっかく和んだ気分だったのに。 意味不明な言動で、途端に不快感が押し寄せて、露骨な反応をぶつけた。 そんな私を… ワイルドなその人は、柔らかな笑顔で包み込む。 「すいませんっ。 さっき隣で、聞こえちゃって」 そうハローワークを指差して。 「仕事、探してるんですよね? 俺も今日、求人の申込に来てて…」 そこまで続けると、スッと取り出した名刺を差し出してきた。
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