3378人が本棚に入れています
本棚に追加
/300ページ
雇用手続きは、その日の内に行われて。
その夜は…
業務説明と親睦を兼ねて、大崎専務と食事をする事になった。
「これからは、社外では堀内って呼ばせてもらうけど。
その名字好きじゃないし、俺の方針なんで…
社内では茉歩って呼ばせてもらうよ?」
「好きじゃないって…
けっこう子どもみたいなんですね?」
「だいぶね。
我儘だから、覚悟しといた方がいいよ?」
なんて、やんちゃな笑顔で荷の重そうな予告。
それも束の間…
「とりあえず茉歩は、今日から俺専属の部下だから、俺の言う事だけ聞いとけばいいよ。
でも、困った事とかがあったら何でも言ってくれ」
サラッと早速の名前呼び。
続いた、何気に横暴な言動。
だけど、頼りになるフォロー。
その一連の流れに、何だか戸惑う。
そして、俺専属の部下…
実は今日、大崎不動産に雇用された訳じゃない。
専務が個人的に経営してる派遣会社で雇用された。
ただ、表向きは大崎不動産の社員らしく。
この雇用形態は、トップシークレットとして口止めされてる。
色んな理由があるんだろうけど…
今となれば、専務自ら求人申込に動いてたのも納得。
最初のコメントを投稿しよう!