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だけど案の定。
「そんな高価な物っ…
頂けません!」
「俺とお揃いは嫌?」
「まさかっ…
嬉しいです、すごく……」
そうは言ってくれたけど、困惑の様子。
やっぱり重かったかと、一気に不安な気持ちになると。
「周りにバレますよ?」
もっともな事を危惧される。
そんなの全然構わない。
元々はそれが目的だったし、今はとにかく茉歩と形ある繋がりが欲しかった。
でも茉歩は…
噂が広がって、堀内の耳に入るんじゃないかと恐れてるんだろう。
「それが嫌なら、付けなきゃいい」
この際、持っててくれるだけで…
いやもう受け取ってくれるだけでいい。
そうはいっても…
薬指で光ってるダイヤの指輪は、茉歩にぴったりなデザインで。
感動を与えたそいつと比べて…
半ば強引に受け取らせる事しか出来なかった自分が、情けなくて仕方なかった。
ところが次の日。
茉歩の手首にその時計が付けられてるのを目にして。
まるでプロポーズにイエスをもらえたような気になって…
嬉しくて堪らなかった。
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