慧剛side:後編

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そんなある日、突然親父に呼び出される。 「なぜ呼び出されたか、解ってるな?」 「早くケリをつけろ、って事だろ? けど、そんな急いでも露美(かのじょ)には逆効果だし、ちゃんと順調に進んでるから問題ない」 「そうは思えんがな」 どういう意味だ? まさか、茉歩との関係に探りを入れてたのか? それとも、露美と堀内の事を知って心配してるって事なのか… 互いに無言で探るように視線を交えてると。 「策士策に溺れると言うべきか、本末転倒とでも言うべきか… いい加減目を覚ませ」 最後のセリフを重々しく口にした親父から、全てお見通しなんだと悟る。 だからって俺の気持ちまで覗けるわけじゃない。 「心配しなくても、全て策略通りだ」 絶対にしらを切らなければと思った。 「ならいいが… 仮にその秘書の事を思うなら、役目を果たす事だけに集中しろ」 それは仮定ながらも、茉歩を守りたいなら関係を清算しろという脅しで…
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