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とはいえ、親父の体に悪影響を与える訳にはいかないし…
会社も裏切れなければ、華那の犠牲だって無駄に出来ない。
だけど…
解ってるけど!
だったら俺の人生はなんなんだ?
「慧剛の人生だよ?
許されるとか許されないとか、そんなの関係ないんじゃないかな」
その瞬間。
突き刺さってたしがらみが一気に取り払われた気がして、ふっと胸が軽くなる。
きっと俺は、ずっとその言葉が欲しかった。
心を震わせながらも…
全てを失えば、当然秘書なんか必要な訳もなく。
「それでも茉歩は、側に居てくれるか?」
言ってみればそれは、遠回しな告白のようなものだった。
「私は相棒なんでしょ?。
慧剛がどんな道を選んでも、サポートしてあげる」
その返事はすごく嬉しかったけど…
結局サポートか、と落ち込む。
俺は仕事や友人としての相棒じゃなく、人生の相棒になりたいのに…
なんて。
もう既にその相棒がいる茉歩に求める事じゃないのも解ってる。
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