拾った専務と拾われた秘書

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だって… ー「俺の事なんか大して執着してないと思ってたし」ー その言葉が、聡をどれだけ寂しくさせてたか物語ってる。 仕事を優先して来た自分も、クールに接して来た自分も… 今さらになって、恨めしくて堪らない! 「だけど、ね?聡… …私なりに、ちゃんと愛してたんだよっ?」 「…っっ! ごめんっ…! ごめん、茉歩っ! ほんとにごめんっ… 茉歩は良い妻だったよっ! ほんとに良い妻だった! なのに俺がっ… ごめんな… …そしてっ、ありがとう…!」 瞳いっぱいに涙を溜めた私を… 聡は泣きながら、抱きしめて来た。 久しぶりに、聡の体温を感じて… 思わず抱き返そうとしたけど。 グッと留めて、ゆっくりその手を下ろした。 この体温は、愛じゃない! 情けの抱擁は、余計胸を八つ裂いた。 ねぇ、聡… 泣きたいのは私の方だよ…! これから、どうなるんだろう…?
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