拾った専務と拾われた秘書

15/22

3378人が本棚に入れています
本棚に追加
/300ページ
とはいえ、そう思うのも当然で… 専務はかなりの、いわゆるイケメンで。 ワイルドさを演出する力強いつり目に併せて、逞しい身体つきの高身長。 その上、男らしさと男の色気を備えた低音ヴォイス。 なにより、リッチで御曹司で仕事も出来るなんて… 女が放っておく訳がない。 この一週間でも、玉の輿を狙ってる女子社員達の話を、それはもう本当によく耳にした。 「残念な事に、沢山は居ないかな。 友人と思える相手も少ないし、女も… こう見えて一途なんだ」 「あ…、すみません」 失礼な発言を謝罪しつつも。 「でも、だったら尚更… プライベートの時間は、私じゃなく彼女さんに使って下さい」 「別れたんだ。少し前に…」 私の提案をすかさず打ち消した言葉に、 再び戸惑う。 「込み入った事を、すみません…」 失礼続きな自分に焦ったのと。 "別れた"という言葉が、今後の自分を連想させて… ドキリと敏感に反応してしまってた。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3378人が本棚に入れています
本棚に追加