拾った専務と拾われた秘書

21/22

3379人が本棚に入れています
本棚に追加
/300ページ
正直、夫婦の問題に他人は介入出来ないと思う。 だけど… そう言ってくれた専務の心意気が嬉しかったし、心強く感じた。 何より。 誰にも相談出来なかった事を話せて、心が少し軽くなった気がした。 「…ありがとうございます。 専務って、ものすごく面倒見がいんですね。 私、専務に拾われて良かったです」 「拾われて? じゃあ俺は、俺の秘書には勿体無い逸材を拾えて幸運だな。 正直、驚いてるんだ。 仕事が出来るとは睨んでたけど、一週間でここまでマスターするとは思わなかったし。 すごく助かってるよ、ありがとう」 「そんなっ、褒めすぎです…! それにまだまだこれからです」 でも仕事を評価されるのは、素直に嬉しい。 しかも、そんな風に感謝の言葉を貰えると… 今の弱ってる私には、余計心に染み込む。 「だけどな、茉歩。 茉歩は頑張り過ぎたり、クールに装ったり、極力弱みを見せないだろ? そんなんじゃいつか潰れるし… 相棒の俺には、もっと甘えろ?」 とても優しい眼差しで、続いた言葉に。 心が揺さぶられて、思わず泣きそうな気持ちになった…!
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3379人が本棚に入れています
本棚に追加