侵食の体温

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大崎不動産で、専務の秘書として働き出してから… 残業も少なく、前職より帰宅時間が早くなってた。 あれから数日、聡の帰宅も早くなってて… 少しずつ、離婚に向けた話を進めてる。 ただ。 離婚が承諾されて浮かれてるのか、それとも最後だからなのか… 私への接し方は、今まで以上に優しくて。 まるで、何事もなかったかのように朗らかだった。 もしかしたら離婚話が無くなるんじゃないかって、僅かな期待を抱かせるほど… * * * 「ごちそうさま。 相変わらず、聡の作るオムライスは絶品だねっ。 楽させてもらった上に大満足させてもらったから、明日は聡の好きなもの何でも作るよ?何がいい?」 今日は早く帰ったからって、夕飯作りを買って出てくれた聡に… 感謝を告げながら、後片付けを始めると。 「ああっ、いいよ!片付けも俺がするから。 それより、明日は茄子と豆腐の揚げ出しが いいな! 茉歩の揚げ出しはプロレベルだからなぁ!」 「褒めすぎ。 聡の好みに合わせてるだけだって」 そう返しながらも、何度褒められても嬉しいもので。 遠慮された片付けも、さりげなくサポートを続けた。
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