侵食の体温

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「ん… これからは家庭に落ち着いて、 子作りに専念しようかなって… 喜ばせようなんて、サプライズ報告するつもりだったんだけど… 意味なくなっちゃったねっ。 でも新しい会社もすぐ決まったし、何の問題もないから、聡は気にしないで? じゃあ、ごはん作るね…?」 腕を掴んでる手をそっと押すと、 その手はボトンと力無く落ちて… 聡は黙ったまま俯いてた。 だけど、出来上がった夕食を食べ始めた時。 「美味いっ…! 美味いよ、茉歩! やっぱり茉歩の作る揚げ出しは最高だっ。 俺、ほんっと! ほんっと… ほんとにごめんっ、茉歩…」 そう言って、泣き出してしまった。 ねぇ、聡… 泣くくらいなら戻って来てよ! それとも… もう戻れないから泣いてるの? 伝えた想いはほんの少しも、離婚の足止めにはならないのかな…?
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