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「親父が病気なんだ」
突然されたカミングアウト。
戸惑う私に、それは続く…
「…今は持ち直して療養中だけど、一時は危険な状態だった。
だから。
今後は一線を退いて、代わりに俺が後を継ぐ事になって…
だけど常務はそれを納得しない!
株主達を抱き込んで、乗っ取ろうと企ててる。
おまけに。
ワンマン気質な親父より、みんなのケアをして来た常務の方が、従業員達に慕われてる。
そんな状況下で、俺が専務になって。
もうじき社長になるには…
それなりに周りを納得させなきゃいけないんだ!
だから今までガムシャラにやって来たし…
あいつを、大切な存在(元カノ)を犠牲にしてまでこの道を選んだからには、必ず成し遂げなきゃいけないんだ…!」
切なそうに顔を歪めた専務は、今でもその彼女を愛してるんだと思って…
何故だか胸が、チクリと痛んだ。
違う、きっと…!
専務の辛い状況を思って、同情心で痛んだんだ。
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