侵食の体温

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「茉歩… 俺は1度の、ほんの少しのミスも許されない。 親父の病気を、表向き長期出張にしてるのも、付け入る隙を与えない為だ。 このプレゼンだって、俺がしなきゃ常務に手柄ごと横取りされてしまう。 だから頼む… 相棒のお前にしか頼めないんだ。 プレゼンを、サポートしてくれ」 私にしか頼めない、だなんて… 部下として、これほど嬉しい事はない。 それに… 過労の熱は、疲れや睡眠不足以上に、ストレスで起因するって聞いた事がある。 この人は、これだけのプレッシャーとストレス環境の中… 誰にも弱音を吐かずに、こんなに無理ばかりして。 なんて、ほっとけない人なんだろう… 「わかりました… 私が専務を守ります」 いつしか。 この人を守りたい、なんて思ってしまったてた。 意味不明な返しを受けて、伺うように戸惑う専務に… 「だって、どうせ止めても聞かないですよね?」と微笑んだ。 私も同じタイプから、よく解る。
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