戻った愛と目覚める欲

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なのにその戒めは、役目を果たさず… 寧ろ。 「では専務、お疲れ様です」 「待て、茉歩… …何があった?」 その声はとても優しくて。 その眼差しは、とても心配そうで。 「っ… 駄目ですねっ、私… 今回はちゃんと、仕事に徹したつもりだったのに…! すみませんっ…」 「違う。 茉歩は完璧に仕事をこなしてた。 ただ俺が、茉歩を気に掛けてるから気付いただけだ」 そう言って専務は、私の前まで移動して来た。 「…旦那と、また何かあったんだろ? まさか状況が悪くなったのか? 頼む、話してくれ! 俺が茉歩に甘えたように、茉歩も俺に甘えて欲しいんだっ」 そんな事、言わないで! ほんとに甘えたくなる… 「っ、大丈…」 甘えを振り切って、躱そうとした瞬間。 身体が、専務に包まれる。 「ーーーっ!!」 途端に。 身体中の何かが騒ぎ出して! そんな私を、専務のトドメが貫いた。 「1人で抱え込むな… 俺も茉歩を、守りたい…!」
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