3380人が本棚に入れています
本棚に追加
/300ページ
なのに聡…
私をこれ以上、嫌な気持ちにさせないで!
「妊娠なんて、嘘だったんだよ…」
「…え?」
元気のない聡に声掛けたら…
突然始まった愚痴スピーチ。
「おかしいとは思ってたんだ…!
検診に付き添おうとしても、断られてたし…
そしたら彼女の友達って子から聞いて…
問い詰め続けたら、やっと白状したよ」
目撃した喧嘩は、きっとそれ絡みだったんだろう。
「彼女、妊娠なんてしてなかったんだ…!
俺は本気で責任取ろうとしてたのに!
その所為で茉歩をすごく傷付けたのに!
いくら俺の事が好きだからって、そんな嘘吐くなんて…
ちょっとついて行けないよっ!」
私をこんなに傷付けてまで選んだ相手を、そう容易くついて行けないなんて…
嬉しい展開なのに。
聡の中途半端さに、腹が立つ。
だいたい妊娠を信じたって事は、そんな軽はずみな行為をしたって事で…
その地点で最低な聡に、そのコを責める資格があるの?
最初のコメントを投稿しよう!