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「それに茉歩っ!
あの専務さん、ちょっとおかしくないか!?
だいたい、なんで秘書なんかやる事になったんだよ!?」
「どーゆう意味っ?失礼だよ!聡…
第一、秘書やる事になったのも、元はと言えば離婚話の所為でしょ!?
なんなの…?
どこまで勘ぐってるの!?」
もしかして…
元々ダブル不倫だったとでも思ってる!?
だから離婚話も…
敢えて焦らしたものの、すんなり承諾したとでも?
「ごめん、悪かったよ!
俺が全部、悪かったよ…!
全部、俺が……」
そう頭を抱えて、項垂れる聡。
ねぇそれは、嫉妬なの?
それとも自分の罪を軽くしようとしてただけ?
解らないけど…
「秘書のきっかけは、ハローワークだよ。
私もちょっとムキになって、ごめんね?」
そっと聡の肩を撫でた。
聡を追い詰めたって意味がない。
なにより。
ムキになってた自分に気付いたから。
専務と私に、やましい事実はない。
だけど…
私には一時的でも、やましい気持ちがあったのは確かだ。
勘ぐったのは聡じゃない…
私自身が、その後ろめたさから勘ぐったんだ。
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