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「専務、何で教えてくれなかったんですか?
昨日、夫と話したんですよね?」
次の日、さっそく問い詰める。
「話したよ?
下で偶然会ったから、ちゃんと挨拶くらいはしとこうと思って…
まずかったか?」
「そうじゃなくて、
ひと言教えてくれても…」
専務は…
私の夫と、そんなサラッと挨拶出来て。
しかも忘れちゃうくらい、何とも思わないんだ?
ついそんな、バカな事を思ってしまったら。
「昨日は言いたくなかったかな。
自分で挨拶しときながらだけど、けっこうヤキモチ妬いてたから」
この人はまた、どうしてそんな!
嬉しくなる事を…!
なんて。
なに考えてるの私!
「っ、そんな事ばっかり言ってるから、変な誤解を招くんですよ?
夫が不審がってましたけど…
いったいどんな挑発したんですか?」
きっと専務なりに。
ヤキモチ作戦とか、離婚の阻止を実行してくれたんだと思った。
その問いに専務は、ハハッとやんちゃに笑って…
またこの胸はくすぐられる。
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