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「嫌だなあ、千佳ちゃん大人ぶって」  そう言いながら千世は渋々ベッドから起き上がった。 「千佳ちゃん、私を置いていかないでよね」 「……え?」 「だって双子でしょ?」  千世はそう言い残して部屋を出ていった。そんな事を言われても困る。高校生になってから、僕だって千世の事をよく知らない。同じ顔で、同じ学校に通っていた頃とはもう違う。違う高校に通う千世がどういう風に過ごしているか、僕は解らない。もう、僕と千世はいつも一緒に居てセットだった頃とは違う。ずっと一緒になんて居られない。
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