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 普通の高校生になっている筈の僕は、急に周りが嘘臭いな、と思ったけれど、それは周りではなく、馴染めない自分なのだと気付いた。無理をしている。そうやって群れるのは好きではなかった筈なのに、いつの間にか群れてる。本当は、一人の方が楽なのに。  疲れるな、と思った。集団で居る事に慣れていないだけなら、その内慣れるのだろうか。  まあ、いい。適度に合わせておいて波風が立たないなら、それでいい。 「何で速水って菅原と仲いい癖に付き合わないの?」  話が急に僕に向いて、僕はうんざりした。 「やめてよー、私もう千佳に一回振られてるんだよ」  その言葉に僕より先に有里紗が笑いながら言った。 「何それ」 「名前も知らないのに付き合えないんだって」 「じゃあ、もういいんじゃねえの?」  僕の話の筈なのに、僕が口を挟む前にどんどん進んでいる。嫌な方へ。 「ないよ。そう言う風に見てないから」  きっぱりと言ったら、その場が静かになった。間違った、と思った。きっとただの冗談で聞き流していればよかったんだ。だから、一人の方が楽なんだ。わざわざ反応を伺う事もない。 「……深い意味じゃないよ」
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