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*****  次の日の昼休み。何となく馴染んだ同じクラスメイトと昼飯を食べ終わったあと、雑談に耳を傾けていた。どうでもいいな、と思いながらぼんやりしていたら教室の入口から名前を呼ばれた。聞き覚えのある声でそちら側を向いたら、昨日僕を罵倒した女子が手招いていた。  何だろう、と僕は訝しむ。誰かが僕の脇を小突いた。気乗りしまいままに僕は呼ぶ声の方へ行った。 「まだ何か用かな」 「速水くん、昨日さ、名前も知らないのに付き合うとかないって言ったよね?」 「……うん?」 「知って貰おうかな、と思って」  にっこりと笑う顔は可愛かったが、何を考えているのか解らない。 「有里紗だよ。菅原有里紗。仲良くして?」 「……は?」 「彼女居ないなら、普通に仲良くなる位は出来るよね」  僕は彼女の言っている事の意味が余り解っていなかった。ただ、変に注目を集めているのが嫌だった。好奇の目で見られているのが解る。それだけの衝動で僕は有里紗と言った女子の手を引いて教室から離れた。彼女は驚いている。 「どうしたの!? 速水くん」  引く手の先で戸惑う声がする。人気の少ない特別教室の端まで来て、僕はようやく手を離した。 「……やめてよ。苦手なんだよ」
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