第1章

4/4
前へ
/4ページ
次へ
 目を覚ました後、オレンジジュースを飲む。しっかりと味がする。ここは現実の世界だ、と思う。  鏡を見る。僕が右手を頬に当てると、鏡の中の僕は、軽く首を振った。  鏡の中の僕が笑い出したので負けずに笑い返してやると、急に無表情に戻った。 「あまり続くと、早死にするよ」  ドクターの言葉を思い出す。  寝てるのも起きてるのも、生きてるのも死んでるのも同じだ、と思う。  その間にいるのが、僕だ。  ゴディバのチョコレートはもう食べられないかもしれないな、とも思う。         (了)
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加