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 都築は俺の首もとに手を回し、肩に鼻先を押し付けて小さく囁いた。 「この腕」 背中に腕を回し抱き締めると、 「遠野が好きだよ」 そう告げて照れくさそうにふるっと震えた。 「遠野の言う通り、ノンケを振り向かせた俺ってえらい?」 俺の腕の中でそんなこと言う都築が可愛くて。 「えらかった。ご褒美だ」 柔らかく笑う口許に唇を落とすと、真っ赤に爆発した顔で「ファーストキス……嬉死ぬ」ってギュッと抱きつかれた。都築のファーストキスの相手が俺って。やべぇ、俺も嬉死ぬっ!  抱き締めている体は当たり前だけど固いし、こんなに綺麗な顔立ちだけど女の子とは違う。 それでも俺の中心はこいつに触りたくて、こいつがほしくて暴れだそうとしている。    しがみつく都築の唇に何度も触れるうちに、その欲求ははっきりとしたカタチを持って熱を発し始めていた。
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