大きな手

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 息苦しいほど腹が膨れた所で、ようやくずるりと固い物が引き抜かれた。  やっと息が出来る…けど、もう体が…ソレになんだかだんだん眠くなってきた…駄目だ…こんな所で…!  意識が朦朧とする中、大きな手はオレをそっと運んでそこに置いた。  そこは薄暗い場所。  でも知ってる…嗅いだことのある匂いだ。  これは、オレ達がいた冷たい箱と同じ匂い…けどコレはすごく温かい…それに…それに…。  そこには嗅ぎなれた臭いと三つの毛玉。  眠っているのかみんな動かない…けど…!  何日も飲まず食わずでガリガリだったはずなのにみんなお腹がぽんぽこりん。  オレは、睡魔に意識を持っていかれそうになりながらもそこへ這う…オレの兄弟たちのもとへ。  これからどうなるなんてよくわからない…けれど今はみんなと一緒に…。  目を閉じる瞬間、オレが散々引っ掻いて傷だらけにした大きな手がそっそオレと兄弟たちを撫でてカチッと灯りをけしたんだ。  
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