森を抜けて
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「努、いつまで見ているんだ?」 父親が呼びかけてきた。 脚の悪い努の為に、車でここまで連れてきてくれたのだ。 「うん、もう戻ろう」 そうして車に戻ろうと、森に背を向けた時。 グエエエエエエエエエ 梶の断末魔のような、妖怪の鳴き声のような、そんな声が聞こえた。 努は振り返り、森を眺める。 そこにはさっきと何も変わらない、静かな森が広がっていた。 ―終わり―
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