一幕 まさかの事実

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あー何か解った気がする。 「そこへ俺たちがそんな仁義に外れる外道は 許さないって言い出したもんですから、相手さん からしたら私ら赤木組は邪魔者と言うわけです。」 目の上のたんこぶって訳だ。 「これが一番大事な話なんですが…単刀直入に 言います、今貴方はそんなヤクザどもに狙われて います。」 …何かの間違いだろうか。 私がヤクザに狙われてる? 「そんな馬鹿な話有るわけ無いですよ。 いくら赤木の血をひいてるからって、私は女 ですよ?!」 「通常なら有り得ない話です。ヤクザの世界は いつの時代も男の世界。女がでしゃばるなんて のはまずないと言っていいです。」 「なら…」 「今回は例外です。」 例外って…そんな簡単に有って良いことなの だろうか。 「おじきと聿さんの昔っからの口癖が `巴にはヤクザの素質がある´でして…。」 「それを真に受けた組が危険分子は消しておこう って成ったらしく…。」 何言っちゃってんのじいちゃん、ヤクザの素質って 何ですか。いい加減なことは言ったらダメでしょ。 今日は帰ろう。頭がパンクする前に帰ろう。 「話はそれだけですよね?では私、帰ります。 さようなら。」 前もこれで帰れたんだ、今回だって… 私の期待は見事に裏切られた、帰ろうと立ち上がりかけた私の腕を握る手。 「今日はそう簡単に返すわけにゃいきません。」 背後から聞こえる有無を言わせない低い声。 …本気で帰りたいんですけど。
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