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助けを求める者
逃げろ、逃げろ、逃げろ。
暗い街、目の前には大きな壁、行き止まり、最悪だ。
よく知っている街のはずなのに、混乱してこんな所に迷い込んでしまった、最悪だ。
後ろから足音が近づいてくる。
そいつは血の付いたナイフを握り締め、執拗に追いかけてくる。
最悪だ、なんて日だろうか、殺されてしまうのだろうか。
ついにそいつが目の前に現れた。
興奮しているのか息が荒い、気持ちが悪い。
大声を出す。
するとその声を聞きつけた人たちがやってきた。
「誰か助けてくれ!!」
指を指し
「こいつは殺人鬼だ!!こいつに刺された!!」
ナイフを持った奴がそう叫ぶ。
あぁ、最悪だ。もっと弱そうな奴を刺せばよかった。
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