1683人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめん。 本当にごめん。
美月のこと……。 何回でも何十回でも謝る。
だけど、それでもさっき話したのは嘘じゃない」
瑞希に会ったらどう言うか考えていたはずなのに、彼女を前にすると吹き飛んでしまった。
いったいどうすれば伝わるんだろう。
美月に重ねようとしたのに、うまくいかなかったこと。
違いに触れるうちに、だんだんと惹かれたこと。
ちょっと卑屈なところも、気が強いところも、真面目なところも、たまの微笑みだって。
いつの間にか好きになっていたんだと、全部伝えたいのに。
「ずっと、美月しか愛せないと思ってた。
だけど瑞希さんに会って、自然と瑞希さんを好きになって、いつの間にか美月への執着から解放されてたんだ。
助けてくれたんだ。瑞希さんが。
途方もない執着から、俺を解放してくれたんだ。
……好きなんだ。
ほかのだれでもない、君のことが」
最初のコメントを投稿しよう!